電子黒板が実際に導入されている小中学校でも、きちんと活用できていいないケースが増えています。せっかく電子黒板を導入したのであれば、最大限に活用して授業に生かしていきたいものですよね。電子黒板のメリットとしては、時間活用が効率化できること、視覚をサポートできること、集中力をアップできること、教材やデーターを再利用でき、蓄積することも可能なこと、情報を生徒同士で共有することができることなどがあげられます。
電子黒板 小中学校の6割で十分活用できず NHKニュース
パソコンと接続したモニターに動画や画像を表示したり文字を書き込んだりできる「電子黒板」の利用状況を会計検査院が調べたところ、導入された全国の小中学校のうち6割に当たる3700校余りで、画像を動かすなどの機能が十分に活用できていないことが分かりました。
「電子黒板」は、パソコンと接続したモニターに動画や画像を表示させて動かしたり、文字をタッチペンで書き込んだりするといった「特有の機能」を持ったデジタル教材で、全国の小中学校で整備が進められています。
理由1.従来の電子黒板が持つ課題
電子黒板というと、複雑な機能があるように思われる方も多いかもしれませんが、実は、電子黒板の基本構成は、
大型テレビ もしくは プロジェクター+WindowsPC
とを連動させて、マウスではなく、画面上で直接タッチ操作ができるようにしているにすぎません。
なにか多くのことをできるかのような印象を持ちがちですが、それほど新しいITツールではないのです。
基本windows7やwindows8で動く電子黒板がおおいですから、windowsの操作がわかれば、電子黒板の操作自体は難しいわけではありません。新しく覚える必要があるとしたら、専用のペイントソフトを動かす必要がありますので、そのアプリケーション操作を覚えていく必要があります。
ペン操作性自体の問題、追従性の問題なども考えられます。実際に黒板で書いた方が、濃淡もだせ、書きやすい。実際そういった問題も抱えています。
今電子黒板の主流はwidowsOSが多いためは、マウス操作を前提としているOSです。よって、そういった課題、UIの問題は今後もひきづっていくでしょう。
しかし、iOSやAndroidと連動する電子黒板が今後出てくる可能性が高いです。下記のようにペン操作を実際とかわらないレベルまでに引き上げているアプリケーションもiOS向けには出ております。デジタルペンにはiPADと通信して、微妙なペン先の動きを反映できるようにしているのです。
タブレットOSが電子黒板に取り込まれていけば、いずれ、ペン操作の不具合といった部分もこういった技術の進歩で解消されていくものと考えられます。
また、電子黒板が活用されない理由は、ハードウェア自体の問題というよりは、コンテンツ、もっといえば、デジタル教材がまだまだ活用レベルに達していないということがまず考えられます。
理由2.カリキュラム上の問題
教育分野でこなさないとならない授業カリキュラムがあります。それは従来の教科書教材で正であって、デジタル教材自体は、「副教材」という域を出ていません。よって、従来の授業カリキュラムの合間をつかって、別教材の電子黒板授業をするということ自体は、現場に2重の負荷をかけている可能性もあるのです。
電子黒板を導入するには、どういう科目で、どの教材を使って、どれぐらいの時間を割いて行うといった教育現場の教育方針を再考していく必要もあると考えられます。
電子黒板で行った方がよい授業は何か?その特性を理解したうえで、カリキュラムを決めていけば、活用度は向上していくものと考えられます。
理由3.サポート不足
電子黒板メーカー側の問題もあるかもしれません。従来のテレビメーカがおこなっているように、単に設置して終わりという形になると、現場普及、活用には時間がかかります。ITに強い先生がいれば、その先生を主体に活用されていく可能性もありますが、先生にそれだけの負担をさせるわけにはいきません。
やはり、これは、モニターやプロジェクターではなく、IT機器を設置しているのだという認識が納品業者側が考えを変える必要があります。
導入目的をよく確認したうえで、活用方法等を購入前にご理解していただいた上で、導入されるため、購入後の活用度が非常に高いというのがベストな方法です。
電子黒板を使いこなせてない先生の場合、デジタル教科書を提示して、拡大、縮小、書き込みなどの操作だけを行って終わりという場合もあるでしょう。これでは電子黒板の機能を最大限に生かすことはできないでしょう。時間活用を効率化するという点では、電子黒板は事前に準備しておいた資料や教材などをすぐに提示することができますので、従来の黒板と違い板書の時間を省略することができるので、その分授業をスムーズに行えるでしょう。