小学校における電子黒板の各教科ごとの活用事例

電子黒板の活用事例

文部科学省より委託された電子黒板普及推進に資する調査研究事業の成果として、1年間を通して実施された数々の授業の中から、小学校における電子黒板の有効活用を考える参考となる選りすぐりの事例をご紹介いたします。

国語で電子黒板を活用

仙台市立 松陵西小学校(柳沼 伸明 先生)

電子黒板上で児童が実際に書いた字を操作できるので説得力が増しました。児童は自分たちの字が映し出されるので、意欲も集中力も増したようです。大きな画面に多くの児童の字を一斉に映し出せるので、一斉指導による理解度を深めることにも役立ちました。さらに、従来の板書よりも説明の時間を短縮できた分、児童の活動時間を増やすことができたと実感しています。

岩出市立 上岩出小学校(柏木 香三 先生)

デジカメ撮影で、授業に必要な資料を一瞬で教材化できるのがメリットです。児童の机上にある教科書と同じものを電子黒板に表せるので、つまづいている児童にとって視覚的に理解しやすくなり、学級全体へ高い共通理解をもたらすことができました。

富谷町立 成田東小学校(鈴木 護 先生)

これまでは学習プリントを自作して、教師はその拡大版を黒板に貼るなどしながら、また、マス目短冊黒板を複数用意して、そこに書き込んでおいたりして授業を進めていました。労力の割に児童の関心を集めることが難しかったのですが、電子黒板を使うことで従来の悩みが払拭されました。

柏市立 土南部小学校(西田 光昭 先生)

手書きのワークシートをそのまま使うことができたので、発表用に書き直す手間が省けました。
漢字をコンテンツから提示し、その組み立てを書き込みながら確認したことで、文字の組み立ての分け方が生徒にも理解しやすかったようで、意欲的に発表に参加してくれました。

算数・数学で電子黒板を活用

つくば市立 吾妻小学校(中村 政男 先生)

直線を引いている実際の映像を見せることにより、児童が興味、関心をもって学習に臨むことができました。映像を繰り返し見せることができるので、直線を引く手順の定着を図ることもできました。従来の板書型授業より教師の労力も減りました。

理科で電子黒板を活用

岩出市立 上岩出小学校(上 太一 先生)

画面いっぱいに大きく映し出すことで高い共通理解が得られました。この単元末テストでのオス・メス判別の設問は正答率100%という実績が出ました。電子黒板に動画や書き込みを直感的に行うことで授業に盛り上がりができた結果、児童にも確かな理解と定着を生むことができたと実感しています。

技術・家庭科で電子黒板を活用

宝塚市立 売布小学校(林 理香 先生)

電子黒板上に書き込む発表は、最初は躊躇する児童が多かったのですが、1人2人と発表が進むと、手を挙げる子が増えて、「気づき」が全員に共有されたようです。

如何にソフトを使いこなすが良い教育のカギ!

最近は子供でもデジタル機器を当たり前に使う時代でして、特にタブレット機器は急速な普及を見せています。教育現場であってもデジタルメディアを使った授業が次第にメインになりつつある環境の中では、やはり機器を充実させることに大きな目標を敷いています。

これが今で言う教育ICTにおける現実的な姿と言えますが、本来この教育ICTをより良い形で発展させていくには機器の中に入っているソフトを如何に生かしていくかと言う事を考えるべきです。

つまり、中に入っているソフトをその学校の教育現場の実情に照らしわせて活用して行く努力を教師陣が行わなければ電子黒板が単にデジタルの黒板に終わってしまう訳です。

そのため、電子黒板などの教育ICTの導入前には導入によってどのような活用方法が出来るかをより多くパターン化しておくことが求められるでしょう。どんなに優秀な機能を持った機器でも機能を変えることは不可能です。導入側の使い方次第で教育内容は良くも悪くもなります。

先生方の工夫するポイントだといえるでしょう。

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